|ラドアンテナTop|製作のノウハウ|製作・調整に必要な測定器 |設置方法|性能検証|技術考察(1)|技術考察(2)|失敗作例|他のアンテナとの比較考察|よくある質問集(Q&A)|自作ユーザー各局のご紹介|
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スーパーラドに興味があっても、実際の調整には難しい面もありますから、ローカルに実験や試作をしているOMさんがいらっしゃれば心強いことでしょう。
3.5MHz防水仕様SRA製作記
星野様のHPを偶然拝見し、このアンテナの秘めた性能に魅力を感じたこと、何か自作のテーマを探していたこと。この2点がきっかけで製作開始です。SRAに関する皆さまの製作記事を参考に、というか、コピーを作ってみました。しかし、当然の事ながら1号機は動作しませんでした。これはヘリカルアンテナ?。星野様のご指導で何とかSRAらしい動作を確認でき、屋外6mに上げた「No.6:SRA防水仕様」がこれです。
(写真:SRAテスト中)
内部はこの様になっています。
■共振コイル:ホームセンターで建材用と思われるプラスチック製のLアングルに3m/m間隔で穴を開け園芸用アルミ線を50T巻きました。パイプ内径と同じにする作業は根気が必要。アマチュアの場合、時間と労力はタダです。
(写真:共振コイル)
■リンクコイル:共振コイルとシリンダーは塩ビパイプの中に入るのだから防水処理はOK。リンクコイルは外に巻いてもいいか、とも思いましたが、中に入れたらどうなるのか?、と言う興味もあり、写真のように防水ケースパイプより小さ目のパイプを加工、リンク位置をスライド出来るようにして内部に取り付けました。巻き数は3T。写真は試作時の様子、実際の径は内径とほぼ同じくらい。
(写真:SRA3.5リンクコイル)
■周波数調整用ロッド:空気コンデンサとして100円ショップで求めた真鍮製のロッド(先端に磁石が付いていた)の先端に長さ10cmで2cm角柱の骨組みを2m/m径の銅線で作り、その上をアルミフォイルで巻いてビニールテープで固定した簡単な物。
(写真:SRA3.5ロッド)
■SRA内部:リンクコイルと調整用ロッドを取り付けた内部の様子です。写りが悪く、見づらいですね。シリンダーはパイプ内部にアルミ板を長さ22cm(適当に決めた長さ)で貼り付けています。この時点ではインダクタンスは分かりますが全体のキャパシタンスは見当が付きません。組んでからカットアンドトライのつもりで適当に作りました。
(写真:SRA内部)
■調整に使用した測定器(治具のような物など)
ディップメーター:自作品。最初、これとSWRメーターさえあれば楽勝!と思っていました。(考えが甘かった)この自作品は気持ちよくデップしました。このSRAの共振周波数は「ここしかない!!」と思わせるような深いディップ。あっさり騙されました。
アナライザー:BR-210に頼りすぎました。本SRAの調整には発信器としての使用が多かった。でも、あると便利です。最終的な確認は出来ます。
スペアナ:アンリツ製の骨董価値も無いような古いセットですが、私の場合はこれが救世主でした。SRAにBR-210を繋ぎ、電界強度計として使用。共振点がディップメーターでは分からなかったのが見えました!信用できるディップメーターが手許にあれば、こんな重くて場所を取るものを引っ張り出さなくても済んだのですが、中古でもいいからメーカー製のディップメーターが欲しくなりました。
LCメーター:キット。星野様が紹介されている物と同じ物。何本か作っても上手く行かなくて何をやっているのか分からなくなり、最低限は共振コイルのインダクタンスぐらい把握しようと作りましたが、結果は計算値とほとんど変わらない値でした。私の場合SRAを作る際の気休め程度のものです。でも、今後、他の自作品の際には有用でしょう。
同相電流測定アダプタ:キット。デジタルテスターの指示値がどれくらいだったら良しとするのか、皆さんの製作記事からは読み取れません。ゼロにはならないとのことですが、どれくらいだったらいいのか・・・とにかく低くなるように、と言うことで調整に使用。
ノイズブリッジ:自作。ワイヤー系アンテナの調整にはBR-210があり、全く興味が無かったのですが作りました。しかし、慣れていないので使いづらいです。伝搬状態が良いときは使えません。何をやっているのか判らなくなります。インピーダンスメータかリタンロスブリッジでやってみたい、という気になります。
■特性
SWR1.5の範囲:±25KHz
中心周波数:3.540KHzに合わせています。
周波数調整は内部のロッドで調整しています。便利です。
■材料
ホームセンターで調達:園芸用アルミ線、0.2mm厚のアルミ板、自在ブッシュ、塩ビパイプVU100、VU100の蓋、タキロン60mm径。
手持ち品:1.5D同軸、ポール(ウインドサーフィン用のポール、30代までは本来の目的に使っていましたが現在は全てアマチュア無線用に全て転用)
■使用感その他
3.5用ですので使用(評価)出来る時間帯が限られています。特にアクテビティが高い訳でもないのですが(伝搬状態が良い時間帯は2合目か3合目付近です)受信に関しても送信に関しても面白い挙動のようです。地上高8mリニアローディングIVよりも送受良いときもあれば、その逆もあり、と言う感じです。打ち上げ角が低いアンテナと言われていますが、近県との通信でIVからSRAに切り替えると相手から「10dB強くなった。」と言われ、気をよくし5合目に上り詰めたこともありました。上空6mに設置のアンテナですから写真奥に見えるIVとは比較は出来ませんし、比較するの事も考えません(SRA無指向、IV8の字)。ただ、受信でSは2ぐらい落ちるものの、聞こえる局とはQSOは出来るという感じです。でも、アンテナ部は40cm弱のアンテナです、これまで使っているリニアローディングIVは全長30mです(この長さでも敷地の中を骨折しまくっています)。面白い材料に出会えました。SRAを紹介頂いた開発者の方、ご指導いただきました星野様はじめ、試作にあたり参考にさせて頂きました実証実験をやられている皆さまに感謝します。
当分の間はこの材料で遊べそうです。
何が楽しいか・・・指南書が無いのが楽しいですね。
(写真:SRAテスト中)